この章ではDHCPに関する基礎知識とその設定を学びます。
DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol) は、ネットワーク接続するのに必要なIPアドレスなどの情報を自動的に割り当てるアプリケーション層プロトコルです。
DHCPは情報の割当を行うDHCPサーバーと情報を割り当てられるDHCPクライアントからなります。 最初は、DHCPクライアントは自身のIPアドレスも知らなければ、DHCPサーバのIPアドレスも知らないので全ての宛先(ブロードキャスト)にDHCP Discoverメッセージを送信して、ネットワーク全体に問い合わせを行います。
DHCP Discoverメッセージを受け取ったDHCPサーバは、クライアントに割り当てるIPアドレス設定などをアドレスプールから選択して提案します。 DHCPサーバの仕様によりDHCP Offerはブロードキャストで送信するので、その場合は宛先MACとIPはブロードキャストアドレスになります。
DHCP Offerを受け取ったDHCPクライアントは提案されたIPを使用する事を通知するためにDHCP Requestをブロードキャストします。
最後に、DHCPサーバはDHCPクライアントが使用するIPアドレスなどの設定情報をDHCP Ackで送信します。
これを受け取ることでDHCPクライアントは提案されたIPアドレスを自信のIPアドレスとして利用できるようになります。
DHCPサーバには色々な設定項目がありますが、DHCPクライアントにIPアドレスを割り当てる範囲のアドレスプール、サブネットマスク、デフォルトゲートウェイのアドレス、DNSサーバのIPアドレス、リース期間(IPアドレスの貸し出し期間)などが、基本的な設定項目となります。
[INFO]
s1~s3はdhclient
導入済みUbuntu 20.04 LTSです。
ヒント1
ここではr4がDHCPサーバー、s1~s3がDHCPクライアントです。
ヒント2
最初はこれまでと同様にr4のeth100
に対してIPアドレスやOSPFの設定を行う必要があります。
ヒント3
DHCPサーバーには少なくとも割り当てる範囲のアドレスプール・サブネットマスク、デフォルトゲートウェイのアドレスの3つが必要です。